
一角獣を連れた貴婦人 わがただ一つの望みに

首飾りをつけていない貴婦人が、テントの前で侍女の持つ宝石箱に手を伸ばしている。左下にはクッションに乗った狆。青いテントの上方には「わがただ一つの望みに(A mon seul desir I)」の銘文が記され、テントには涙形文が散らされている。
獅子と一角獣は紋章旗がついた槍に前足をかけ、テントの裾を持ち上げている。獅子の背後には松と樫、一角獣の背後には柊とオレンジが配されている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1490年代
一角獣を連れた貴婦人
視覚
味覚
獅子と一角獣は紋章旗がついた槍に前足をかけ、テントの裾を持ち上げている。獅子の背後には松と樫、一角獣の背後には柊とオレンジが配されている。
世界美術大全集10 ゴシック2 1490年代
一角獣を連れた貴婦人
視覚
味覚
以前はこの作品が導入部とされ、「望みのままに」宝石を選び五感の喜びを味わうことの序曲とされていた。しかし古い記録から6枚組の「感覚」という作品があって、その6枚目が「自由意志」とされていたことがわかった。以後、この作品は終結部で、宝石をはずすことで飾りと五感による情念を捨てることを表している、という解釈も出されている。
一角獣を連れた貴婦人 わがただ一つの望みに
15世紀末 タピスリー 377×466cm
パリ 国立中世美術館
15世紀末 タピスリー 377×466cm
パリ 国立中世美術館